freedom
祖母のお金で自由になれた。

でもどうやって生きて行こうか、、
まずは仕事を探す そこからだ。

施設の同級生の知り合いで
お好み焼き屋をやっているヤツがいて
そこで住み込みで働けるというので
紹介してもらうことになった。

近鉄沿線の八尾というところで
そこの中学校の卒業生で かなりやばい奴で
とりあえず会ってみることにした。

教えてもらった住所には
確かに、鉄板焼きのお店があった。
入り口でうろうろしていると
お店の女性が声をかけてきた
僕が紹介された 友人だと もう分かってる
様子でその後 話は早かった
住み込みで働けるのならばもう今日から
働いてみないかということで 早速
その日の夕方から店に立った。

あっという間に常連客の晩酌で
お店はいっぱいになり繁盛していた
初めての仕事とは言っても
鉄板焼き屋なので、一品料理以外
お好み焼き屋焼きそばを鉄板で焼く
関西人はお好みを焼くのは 小さい子たちでも
自分で焼いて食べるので、
お客に、焼いて出す提供も なんなくこなせた

落ち着いた頃
バリバリと音を立てたバイクが店の前に
止まり、ガヤガヤと仲間を連れて店に
入ってきた その中の一人がこの店の息子で
まさにやばいヤツだった、、

まさに脂の乗ったヤンキー。

見るものすべてに噛み付く
もちろん僕にも噛み付いてきた、、

「お前が紹介のやつか、、」

偉そうな態度で、一生懸命働けと 吐いた、、

店も終わりが近づき
して片付けも終わり
母親が これから住む部屋へ
案内してくれた、、

そこは店の2階で
やばいヤツの部屋だった、、、

流行りのディスコの曲が大音量で流れる

僕は何でこんなやつと一緒に、、、

そんなことを考える暇もなく
僕はそのヤツの子分のような扱い

昼前から店に出て掃除をして そのあと
ランチタイムで大忙しで その後
そして夕方の買い出し そして夜の部、、

そして仕事が終わり2階の部屋でヤツが待つ
部屋では馬鹿のようにシンナーで酔い
女を連れ込んではセックスが始まる
その間 外に出されて 時間を潰す、、、

ある日の夜、車で出かけると言うので
僕も付き合わされることになった

ヤツが運転して 僕は助手席
近所をうろうろ 徘徊していると、、
前にパトカーが1台 近づいてきた

ヤツは焦った様子で 一時停止を無視、、

当たり前のようにサイレンが鳴り
パトカーに止められる。

免許証を求められるヤツ。

なんと無免許だった、、、

そのまま警察へ連れて行かれ
事情聴取を受け、後にヤツの母親が迎えに来て
その夜はクタクタになりそのまま寝た。

そして翌日ランチタイムも終わり
買い出しの前に休憩をもらうと
僕はそのままその店を後にした、、、

どこに行く当てもないけれども
とにかくあの親子から逃げることにした。

実は親子とは言っても
ヤツは養子として育てられた子供だった
自分の店を継いでほしいと考えていた
けれども、絵に描いたようにグレてしまい

そして奴は、友人を使い ヤツの代わりに
店を手伝える人間を探していた。

やつにとっての親孝行だったのかも。。

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僕は当てもなくさまよった、、
祖母のお金も そこをついてしまい

僕はかつて母と過ごした
桜ノ宮のホテル街のあたりをうろうろ、、

自由の怖さですね

施設で育ったせいか
チャイムが鳴ると、食事を食べて
また、チャイムが鳴ると眠る事が出来
チャイムが鳴ると おやつが食べれる、、

施設を出て一番に感じたこと。

ありがたかったなぁと思ったこと、、

そんなことを考えながらウロウロ、、

公園のベンチで座っていると
お巡りさんが近づいてきて声をかけて来た。

もちろん悪いことはしていないので
名前と生年月日伝える、、

しかし 未成年なので
誰か迎えに来る人がいるかと聞かれた

僕はもう 中学を卒業して 働き始めた社会人。

なので迎えなどいらなくて自分で帰る、、

そう おまわりさんに伝えた、、

帰るうちなんてないんですけどね

さらにお回りさんが 職場はどこかと尋ねられ

僕は迷いましたが
鉄板焼き屋の住所と電話番号を伝えた、、

結果、、
最悪の落とし穴に落ちてしまった、、、

ヤツの復讐でした

やつは僕が店のレジから
お金を奪って逃げたと母親に話して
そして母親は警察に被害届を出していて

僕は窃盗の容疑で連行されることになる。

警察で色々聞かれ
僕は取っていないと話しても

とっていなくても
とったかもしれないよね、、、

お金がなくなっているんだよね
それは事実だから、、

それから僕は迎えに来る人などいない。

その年の夏が終わるまでの間
少年鑑別所で過ごすことになった、、、